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子どもの発する言葉を聞き流していませんか?
まだ、言葉を覚えたての子どもは、自分の気持ちを話すのにも時間がかかりますし、
伝えている意味が分かりづらかったりもするものです。
とかく忙しい日常では、「まあ、こんなことを言っているのだろう」と、
わかったつもりになってしまうことが多いのではないでしょうか。
しかし、子どもの言葉を注意深く聞いていると、
その時々の子どもの気持ちによって、
子どもが言葉を使い分けていることに気づきます。
子どもの言葉の聞き取り方を磨き、
子どもが精一杯伝えている自分の気持ちを、
言葉を介して受け取っていきましょう。
「ママも来て」と「ママ、おいで」
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3歳男児のA君は、ママが大好きです。
ご飯を食べるのも、遊ぶのも、お出かけをするのも、本を読むのも…、
とにかく何をするのもママと一緒が大好きです。
傍目にはママがA君の一番の友達のようにも見えます。
そんなA君の最近の口癖は「ママ、おいで」。
まるで友達を誘うように、または少し年齢の小さい子と遊んであげるような雰囲気で、
「ママ、おいで」と優しく母親に言うのです。
お母さんは「何なに?」と嬉しそうについていきます。
とても微笑ましい光景です。
そんなA君ですが、時に、「ママ、おいで」ではなく「ママも来て」
と表現する場面があります。
それは、例えば初めての挑戦等、少し不安を感じるような場面です。
まだ言葉を使い始めて間もないA君ですが、その時々の気持ちに応じて、
言葉を使い分けていることがわかります。
言葉から子どもの気持ちを感じ取る
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日常を一緒に過ごす中で、「うちの子ってこんな子」という見方が、
親の中にはできていきます。
素敵なところ、かわいいなと思うところ、直してほしいと感じるところ、
または困った癖など…、毎日見せてくれる子どもの姿が徐々に親の中で固定化していき、
「うちの子ってこんな子」と、子どもにラベルが貼られていくのです。
親による、子どもの性質の決めつけかもしれません。
しかし、実際の子どもはというと、毎日ぐんぐん成長し、
毎日どんどん新しい姿を見せてくれているのです。
もちろん、色々な表情を見せてくれますし、
様々な言葉で自分の気持ちを表現してくれています。
これらに気づかず、子どもの個性を決めつけてしまうのは、
子どもの可能性に蓋をするような行為かもしれません。
子どもをよく見て、よく聞いて、子ども理解に努めていきましょう。
そこで役立つのが「言葉を聞き取る」という行為です。
子どもの言葉には、前述の通り、
子どもが周囲に知ってもらいたいと願う「気持ち」が隠されています。
親はとかく「わかったつもりになりがち」という前提を理解し、
「この子はどんなことを伝えたいのだろう」と、
子どもの言葉に意識を傾けていきましょう。
言葉の裏側にある、子どもの気持ちが聞こえてくると思います。
子どもの言葉の聞き取り方
ここでは、子どもの言葉を上手に聞き取るための3つの工夫をご紹介します。
最後まで聞く
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1を聞いて10分かる…、とてもスマートな能力かもしれませんが、
子ども理解には適しません。
子どもの言葉を聞く際には、「最後まで聞く」が鉄則です。
それは、最後に子どもの本当に言いたいことが隠れていることが、
とても頻繁にあるからです。
子どもが何かを伝える際には、おそらく情景を思い出しながら伝えているのでしょう。
その時の自分の気持ちや、周囲とのやり取りが話の中に入ってくるため大変長く、
忙しい親御さんにとっては、「早く結論を!」と思ってしまう気持ちもよくわかります。
しかし、その気持ちの表れが「〇〇ってことね、わかったわかった」と、
子どもの話を途中で遮ってしまうことになっては、
子どもは話すことの楽しさを実感できずに終わってしまいます。
子どもの話には、あいづちを打ちながら付き合い、最後まで聞く、
を徹底してみてください。
もしも、その時に聞く時間がなくなってしまった場合には、
「もっと聞いていたいんだけど、時間がなくなっちゃった」と伝えましょう。
子どもの方から、きっと話を結びに向かわせていくことと思います。
オウム返しで安心・安全な場作り
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子どもの言葉をそのまま返す、いわゆる「オウム返し」は、
幼児期の子どもとの対話には、非常に大きな効果をもたらします。
同じ言葉の繰り返しは、「あなたの話を聞いているよ」というメッセージになり、
「あなたのことを受け止めているよ」というメッセージにもなります。
オウム返しをすることで、子どもにとっての安心、
安全な環境を作ることができるということです。
また、オウム返しは、次なる言葉を子どもから引き出すためにも効果的です。
子:今日はお砂場で遊んだんだよ
母:そう、お砂場で遊んだんだ
このやり取りで、子どもはお砂場で遊んだ状況をビジュアライズ(映像化)し、
更にその時の様子を伝えたい気持ちになるものです。
子どもの言葉数がまだ少ないと感じていらっしゃる場合にも、
是非利用してみてください。
質問で言葉を引き出すサポート
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子どもの中には、たくさんの知識や情報がはいっています。
それらをつなげて言葉にするために、質問が機能します。
質問によって、子どもの言葉を引き出すことができるということです。
しかし、幼児期の子どもを相手に質問をする際には、
少しの工夫が必要です。
◎必ず子どもが答えられるような質問をする
◎情景を思い浮かべながら話ができるような質問をする
◎楽しいことを思い出せるような質問をする
例えば、よく使う「今日はどうだった」という質問。
これは、子どもからの「楽しかった」を想定した上での質問であり、
それ以上の広がりがあまり期待出来ません。
「今日一番楽しかったことを1つ教えて!」とすれば、
子どもは具体的に楽しかったことを教えてくれるでしょう。
また、「今日も頑張ってきた?」という質問も、
あまりおすすめできません。
「頑張る」という言葉から、
幼少期の子どもが何かをイメージすることができないからです。
情景を思い浮かべながら答えられるような質問に置き換えましょう。
「今日はお友達と何をして遊んだのかな」という具合です。
きっとその流れで、子どもは頑張ったことを報告してくることでしょう。
子ども発の言葉を聞きながら、
「頑張ったね」と伝えられるといいですね。
更に、質問をされることで、悲しかったり、悔しかった出来事を思い出してしまう質問も、
反省する必要がある等の特別な理由がない限りは、やめておいた方が良いと感じます。
楽しいからこそ、子どもは「またやってみよう」
という気持ちになるからです。
子どもの言葉を深く聞き取ってみてください。
その言葉から、きっと子どもの成長を実感し、子どもの気持ち理解が進み、
きっと更に強固な信頼関係が構築されることでしょう。
家庭で過ごす時間が親にとっても子どもにとっても、
楽しく、前向きな気持ちになれる時間であることを願っています。
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