クロワール幼児教室

よりよい子育ての基盤は親の自己肯定感

子育てを学ぶ機会が圧倒的に増えています。
子どもの育ちに関する知識や情報が広がる中、よりよい子育てに向かおうと、
子育てに高い意識を持つ親御さまも増加の傾向にある様子です。

仕事に子育てに全力投球。

それが今どきの親の生き方なのかもしれません。
しかしQOLはどうでしょう。

子育ての満足度は高く保てているのでしょうか。

「子どものために」が高まる現状に目を向けつつ、
親として本当に大切なことが置き去りにされていないか、
「自分」にも温かい眼差しを向ける機会が必要です。

親の自己肯定感について考えていきましょう。

子育ての情報乱立時代

本屋さんの教育書コーナー、そこで目にするのは、
子育て経験から紐解かれた子育てのハウツー本。

私自身も過去、子育て本を出版させてもらった経験がありますが、
当時と比較して、今の子育て本の数の多さには圧倒されます。

「賢い子ども」に育てるためのハウツー本もあれば、非認知能力の育て方、
子どもの自立を目指した指南書等も数多くあり、何を買おうか目移りしてしまいます。

リアルな書店は、こちらからアプローチしなければ視界に入らない世界ですが、
ネット書店は更に厄介です。
一度子育て本を購入すれば、その後おすすめ書籍が続々と紹介されてきます。

気になるタイトルに、ついクリック。
机の上には「勉強しなければならない書籍」が積み上がってしまいます。

今は子育ての情報、乱立時代。
「参考程度にしておこう」と意識をしておかなければ、知らない誰かの経験や考え方に、
自分の子育てが支配されてしまうかもしれません。

子育て本通りにいかない日常

とは言え、子育てには情報が必要です。
ですから、情報を集めること自体は、必要なことなのですが、
問題は、その情報が「情報を超えた正解」に映ってしまうという現状です。

「子育て本に書いてある通りにいかない」という現実は、
それを「正解」と捉えている親御さまを、特に悩ませます。

子どもが違えば、適切な子育ては違って当然。
環境が違えば、望ましい子育ては違って当然。

もっと言うなら、子どもがその時々に求めるものは異なるのですから、
本に書いてある通りになど、そもそもいくはずがないのです。

それでも「子どもに指示・命令するのはやめましよう」と読めば、
それが正解だと思ってしまいます。

そして、日常を振り返っては、自己否定が始まってしまいます。

本来子育ての助けであるべき書籍や情報が、
「その通りにはいかない」という現実とともに、
子育てに頑張る親御様を苦しめてしまうこともあるのです。

連動する親の心と子どもの心

多すぎる情報の中で、「子育ての軸」を持つためには、どうすればいいのでしょう。

個人的な考えとなりますが、子どものみならず、自分にも目を向けること、
そして親の心と子どもの心が連動しているという事実を知ることは、一助となると考えます。

子どもは人の気持ちを読み取る天才です。
そして、大好きな親御さんの気持ちをそのまま受け取ってしまいます。

まだ言葉を話さない子どもであっても、
親の機嫌が悪かったり、体調が悪かったりすれば、心配そうな顔をしませんか。

怒られるのも嫌だけれども、黙って突き放すような行為を取れば、
子どもはもっと不安な気持ちになります。
親の心は子どもに伝染するということです。

心理学の実験に、「スティルフェイス実験」という有名な実験があります。
赤ちゃんからの働きかけに対して、隣にいる親(大人)がスティルフェイス(無表情、無反応)を示し続けていると、そのうち赤ちゃんが泣き出してしまうという結果が示されています。

子どもは、親の心を表情を通して見ていて、
親の無反応に子どもの気持ちが動揺してしまったということ。

表情として表れる「親の心の状態」を子どもは読み取り、
「自分の心の状態」に反映させているということでしょう。

自分の心を大切にするための工夫

それでも忙しい日常、なかなか自分の時間を作ることは難しいもの。

また、親になった途端に、「自分のことより子どものこと」となってしまい、
自分を後回しにしてしまいます。

だからこそ、子育て中には「自分の心はどんな状態か」に意識を向け、
大切にするための工夫をしてみることが重要です。

ここでは、いくつかの工夫点をお伝えしたいと思います。

もしも「これいいかも!」というものがあったら、試してみてください。
そして行ってみて、「合わない」と感じた際には、さっさと手放してください。

他者からの助言は、「手放す勇気」をもって、取り入れてみることが重要です。

忙しいからこそ気晴らし時間を確保する

深呼吸をする時間はありますか。

忙しい子育ての日常には、ゆっくり呼吸をする時間さえ取れていない可能性もあります。
忙しすぎはストレスとなり、身体にネガティブな影響を与えてしまうかもしれません。
気晴らし時間を確保しましょう。

15分だけでも外を散歩する。
リラックスできるお茶を常備しておく。
忙しくても、毎晩お風呂に入るなど、

自分にあったリラックス方法を見つけておくと良いでしょう。

自分が元気でいることが、一番子どものためになるのです。

忙しい方こそ、リラックスできる方法やツールを、
身近においておくことをおすすめします。

誰かと話す

ストレス発散に効果があるのが、「話すこと」。

自分の気持ちをアウトプットするということです。
器の中がいっぱいになっていたら、新しいものをその器に入れることはできませんよね。

同様に、心の中がいっぱいになっていたら、新しい考え方は入ってこないのです。
誰かを見つけて話を聴いてもらいましょう。

パートナーと子育てについての話をするのもいいですし、
パートナーである必要もありません。

雑談でも何でもOK。

心の中を言葉にすることができれば、それで気持ちはかなり軽くなるはずです。

自分と対話する

自分のことを、誰かに話すのは苦手ということもあるかと思います。
そんな時には、自分との対話がおすすめです。
自分に自分で質問を投げかけるつもりで、自分の心と対話をしてみましょう。

「私は今、何に一番困っている?」
「本当はどうしたいの?」
「何があったら5%だけ前進できそう?」

このような問いを自分に投げかけながら、ゆっくり自分の心の中を覗き、
言葉を引き出してあげましょう。

自分との対話は、時間もお金もかかりません。

思考の整理と思って、習慣化するのもおすすめです。

子育ての課題は原因追求より未来創造へ

困ったことが起きた時、「何が悪かったのだろう」と、
その原因を追求する考え方をする方は多いかもしれません。

原因を追求して改善をしていくのは、行動を起こすためには、有用な考え方ですが、
心に元気がなくなっている時には、原因を見つけたところで、行動できない可能性もあります。

未来をイメージしてみるのはどうでしょう。
「何が悪かったのか」と考えるのではなく、
「どうしたらもっとよくなるかな」とイメージをする考え方です。

「何があったら、週末ゆっくり過ごせるかな」
「どうすれば、〇〇の楽しさを伝えられるかな」など、
未来に視点を向けてみます。

子育てには難しさがあって当然です。

難しい場面に一つひとつ対峙することが、親としての力量を高めていくのでしょう。
だからこそ、自分を大切にしてください。

自分の心を守ることは、子どものため、そして自分のため。

私たちは皆さまの子育てを応援しています。

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