クロワール幼児教室

「自分で!」と自分でやりたがり、結局できずに泣く…の繰り返しです。

「自分で!」と自分でやりたがり、結局できずに泣く…の繰り返しです。

「〇〇ちゃんが!」1歳半にもなると、徐々に子どもは自己主張をするようになります。

親が手伝ってあげようとすると、「自分で!」と拒否してきます。

本来は、嬉しい成長の証なのでしょうが、子どものペースに全てを合わせられない日常生活では、
「またか…」とイラッとしてしまうこともあるでしょう。

とはいえ、「〇〇ちゃんにはまだ無理」と、子どもの気持ちを遮るわけにはいきません。
どう対応していけばいいのでしょうか。

子どもの「自分で!」は自立への第一歩

親には少々てこずる「自分で!」ですが、これは子どもの自立心への第一歩、

「何でも自分でやってみたい!」

という気持ちの表れです。

その気持は尊重してあげたいですよね。
しかし、何といっても初心者、一人でやるには相当な時間がかかります。

また、「何でも自分でやりたい」という気持ちと、実際にできることには乖離があるため、
やってみたけど出来ずにイライラ…、最後は癇癪を起こされてしまう等も、よくありますよね。

更に、子どもがいくらやりたいと言ったところで、
危ないことはやらせてあげるわけにも行きません。

気持ちのコントロールが難しいのが、この時期の特徴です。

それでもこの時期は、親のふんばりが求められる大切な時期。
子どもの「自分で!」を尊重し、日常生活の中で沢山の「できた!」の体験をさせることが、
子どもの自立心へとつながります。

そもそも「自分で!」が言えるのは、自分が愛されていると感じるからでしょう。
自分でやりたいことがあるからでしょう。
「自分を主張できるのは良いことだ」と、まずは自己主張の良い側面に目を向けましょう。

子どもは一人で育っていくわけではありません。
私達もそうであったように、周囲の人との関係性の中で、
沢山大人を困らせながら育っていくということです。

どう対応する?

それでも、日常生活を回していくためには、子どもの主張を全て受け入れるわけにはいきません。
更には、子どもが行うには、まだ危険が伴うこともあるでしょう。どう対応すればいいでしょう。

大切なのは「さじ加減」。
その時の状況、子どものやりたいという内容に応じて、
任せることと、親が行うことを、いいさじ加減で振り分けていくということです。

「急に全てを任せる」でもなく、「◯歳になるまでは子どもにやらせない」でもなく、
手綱の長さを適宜変えながら、
全体としては徐々に長くしていくイメージで関わっていくのがお勧めです。

注意することはきちんと説明/子どもと共有する

もしも、子どもに任せる経験が、多少なりとも危険・被害が伴う経験ならば、
注意することは先にしっかり説明しましょう。

どうすれば上手にできるかの説明をすることが大切です。

やらせてみて、「ほら、できなかったでしょう」は、
子どものチャレンジ精神を削ぎ落としてしまいますので、
できるだけ避けた方が良いでしょう。

子ども
子ども

ハサミを使いたい

親

ハサミのこの部分は何でも切れてしまうからとても危ないよ。
だからハサミは使っていい場所とそうでない場所があるから、まずそれを伝えるね。
〇〇ちゃん、そこから聞けるかな。
まず、持ち方のお約束から教えるね。……

使い方のルールを子どもと共有しましょう。
それでも、楽しさが先行し、忘れてしまうことも多々あります。
そんな時には、また伝えれば大丈夫。
決まったルールがあるからこそ、何度でも伝えられるということです。

横に並び、手を添えて教える

道具を使う場合には、使い方を教えてあげましょう。
ハサミなら実際に手を添えて、使い方を教えます。

使い方等を教える際には、「子どもと対面」では、うまくいきません。
横に並び、手を優しく添え、子どもが使い方を感覚で掴みとれるようサポートできるといいですね。

もちろん、子どもは見よう見まねで色々なことを学んでいきます。
しかし、ひと手間かけて丁寧に教えるからこそ、正しい使い方が身につき、
その後の経験が膨らんでいきます。

子育てに、ちょっとしたひと手間をかけられるといいですね。

振り返りをする

「上手くできたら、はい終わり!」では、定着があまり期待出来ません。

大切なのは、上手にできた「その後」です。

子ども
子ども

ハサミできた!

親

上手にできたね!楽しかったね!ハサミを使うときのお約束、覚えているかな?

どうしても、前に先に、と親の目線はいってしまいがち。
しかし、「できたら振り返り」を習慣化すれば、
子どもの中での定着度が大きく変わり、応用力もつくことでしょう。

「自分で!」を自己決定につなげる

「自分で!」とは、自分でやりたいことを決めた、という行為でもあります。

「自分で決められた」ことに焦点を当てれば、
自分で決定する力、自己決定力の育成にも繋がります。

大人社会においても、この自己決定力はとても重要です。
私達の日常生活は、小さな判断、決断の連続であり、
時には大きな判断、決断も課されます。

自分で考え判断し、自分で選び納得する。
自立した人生を自分らしく生きるために不可欠であるのが、自己決定力ということです。

また、自己決定するとは、自分と向き合い自分を尊重する行為でありつつ、
見方を変えれば、自分の考えから始まる行為に責任を持つというとでもあります。

誰かのせいにする「他責のマインド」ではなく、
自分の責任で生きる「自責のマインド」を持つためにも必要な力と言えるでしょう。

自己主張を自己決定力につなげる工夫

では、子どもの自己主張を自己決定力につなげるためには、どうしたらいいでしょう。           ②つの方法を紹介しましょう。

①その子らしさを大切にする

子どもの主張を「〇〇ちゃんらしさ」につなげてみましょう。

「〇〇ちゃんらしさ」を見つけて伝えることで、
子どもは自分の個性を認識し、尊重することができるようになります。
不安なく、自分で決めることができるようになるでしょう。

「自分でやってみたいのね。〇〇ちゃんはチャレンジ精神旺盛だよね」

「これも一人でやりたいんだ。身体を動かすのが大好きだもんね」

②「決められた自分」の意味付けをしていく

どういう言葉を子どもに投げかけるかで、子どものその後は変わってきます。

「自分で決めることができる〇〇ちゃん」という意味付けをしていきましょう。
「自分で!」と主張する子どもに、

「〇〇ちゃんは自分で決めたいんだね」

「自分できめられるんだね」という言葉をかけるだけ。

子どもの中には「決められる自分」という意味付けがなされ、
安心してその先も「自分で決める」を実践していくことでしょう。

親

朝ごはんは何にしようか?

親

今日は何を着て保育園に行く?

親

どの本を読もうか?

このような問いを取り入れることで、
更に「決められる自分」は確立されていくはずです。
楽しく子どもの意見を取り入れながら、子どもの自己決定力も育んでいきましょう。

子どもの自己主張が出てきたら、子育ては少し異なるステージに入ったといいうことです。

楽しみながら、工夫をこらし、子どもの成長を見守り寄り添っていってくださいね。

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