習い事っていつから始めるのがいいのでしょう。
はじめての習い事は何にすればいいのでしょう。
子どもの習い事の選択肢が増えた今、
保護者の皆さまには、習い事にまつわるお悩みが多いようです…。
習い事を決めるまえに絶対に必要な前提
ママ友の間で話題に出始めると、
「うちの子もそろそろ…?」と気になり始める習い事。
小学生なら、自分のやりたいことを言ってくるのでしょうが、
幼少期の子どもには、「自分から」はありません。
親が子どものために選び、
子どものためにやらせる…
これが、はじめての習い事です。
はじめての習い事には、それなりの負担がかかります。
お金を払って、時間を確保し、送迎も親が行い…
時間的にも経済的にも負担がかかるのが習い事。
それなら楽しんでもらいたい!と思うものの、
現実はその限りではなく、
せっかく連れていったお教室で泣き叫ぶ子どもを見ては、
複雑な気持ちになってしまいます。
「まだ早かったのかしら」
「この子には合ってなかったのかしら」
と後悔が始まってしまいます。
それが、夫婦間のトラブルになったり
親子の関係性の悪化につながってしまうこともあるので要注意です。
「子どものため」の習い事が「子どものため」でなくなってしまう…。
これを避けるためには、
先に「あること」を行っておくことが重要です。
それは、習い事の目的を明確にしておくということ。
「いつから、何をやるか…」
これを考える前に絶対に考えなければならないのが、
その習い事はなんのためにさせるのか
ということ。
例えば音楽教室に通わせたい、となった場合でも、
●音楽を感じる日常を過ごしてもらいたいから
●音楽を通して自己表現ができるって素敵なことだから
●少し遠くの保育園に通っているため近所に友達を作りたいから
●自分は甘やかしてしまうので、少し厳しい環境にいれたいから
…と、
家庭によって様々な理由があることでしょう。
大切なのは始める前に、
目的を明確にしておくことです。
習い事の目的、言語化すると何がいいの?
習い事の目的は、言語化することがおすすめです。
なんとなく…の目的と
しっかりと言語化された目的とでは、
その後の効果が全く異なります。
その習い事を行う目的が言葉になっていれば、
●子どもが皆と同じ様にやらなくとも心穏やかです
●他児と比較してイライラすることがなくなります
●子どもがやめたいと言ってきた時に、もう少し頑張ろうと伝えることができます
●夫婦間で価値観のズレがでてきたときに、お互いを尊重した上で議論ができます
●自らの子育て観も明確になってきます
言葉と気持ちは、鶏と卵のような関係で、
言葉にするから気持ちが整う…という効果もあるようです。
大切な我が子の大切な時間を費やす習い事です。
どのような習い事経験であれ、
頑張った後にはお父さん、お母さんの笑顔があってほしい…。
それを保持するためにも、
習い事の目的を言語化してからスタートすることは重要と感じます。
その習い事はなんのためにさせるのか
自問自答をして、書き出してみてください。
きっと素敵な答えが見つかるはずです。
量より質:あまり欲張らないで!
「月曜日は子どもたちが疲れているのよ…」
以前保育士さんから聞いた言葉です。
平日、ご両親がフルタイムで仕事をしているご家庭では、
習い事は当然土日に…。
土曜日はいくつもの習い事をはしごし、
日曜日は家族で遠くにお出かけ、その後祖父母の家に…。
とにかく、週末は予定がぎっしりのご家庭、
都心では少なくないようです。
子どもは楽しそうにしているし、
予定がぎっしりになればなるほど、
「子育て頑張っている感」も、
もしかすると高まったりするかもしれません…。
しかし、子どもが心身ともに疲れているのだとすれば、
それは詰め込みすぎかもしれません。
子どもの体力も考慮した上で、
子どもが真に楽しめる週末としたいものです。
週末は楽しい経験をする時間でありつつ、
リセットする時間でもあります。
もちろん、新しい経験をすることはとても価値あることですが、
オンラインも広がり、習い事へのハードルが下がった現在、
改めて、子どもの心の声も聞いてあげる必要性も高まっていると感じます。
・経験したことを振り返る時間、
・外での経験を家庭で話題にしながら、
学びを深めていく時間、広げていく時間も大切です。
「早く!」「急いで!」「間に合わない!」と
習い事を「こなす」ことだけが目的とならないよう、
どれもが中途半端にならないよう、
子どもを見ていく眼差しをもっていきましょう。
習い事の価値
家でできないことが習い事の価値
かくいう私も、娘たちには多くの習い事をさせてきました。
数々の習い事によって、
娘たちが習得したことは何だろう…と考えてみると、
「家ではできないことができた」
これが習い事の価値として挙げられます。
具体的には、
・特別なスキルの習得
・家にはない環境での経験
・他者との関わりという経験
・友達と競い合う経験
・ゴールに向かって頑張る経験
・コツコツ継続する経験
・失敗しても立ち上がる経験
・専門家から直接指導を受ける経験…等。
家ではできない経験を通して、
子どもの世界が大きく広がるとも言えるでしょう。
辞めてもいいの?
では、これらの価値を取得するまでには
どの程度の期間(長さ)が必要なのでしょうか。
娘たちの話しになりますが、
高校生になるまで続けてものもあれば、
習ってすぐに「違う」と辞めたものもあるのです。
我が家の習い事ルールは
「辞めてもいい」ルール。
自分には合わない、楽しめないと
子どもが判断したものは辞める、ということです。
もう少し頑張ってほしい…と思えば、
「もう少し頑張ろう」と続けるための助言、提案はしましたが、
多くの習い事全てが残るわけではないことは
当初からわかっていたため、
手放すことに対するハードルは極力下げていたことを思い出します。
では、辞めてしまった習い事は
何の力にもならなかったのか…というと、
全くそんなことはなく、
たとえ習っていた時間が短くとも、
得られた価値は大きかったと感じます。
もちろん、「継続すること」が習い事の目的の場合には、
辞めない努力が必要となり、
上記の考え方はそぐわない…となります。
全て目的次第ですね。
習い事を頑張る子どもの応援の仕方
「すごいね!」
「こんなことができるようになったんだね」
「〇〇ちゃんより上手!!」
子どもは「成果」を褒められると喜びます。
親も成果はわかりやすいので、
褒め言葉にすることが多いでしょう。
しかし、子どもの成果だけを褒める行為は
注意しなければなりません。
子どもも成果ばかりを気にするようになってしまうと、
成果を出せるのは良いこと、
出せないのは悪いこと、と判断するようになってしまいます。
自分に対する目も、他者に対する目も
「成果」に縛られてしまっては大変です。
多様性が求められる社会に逆行した考え方になってしまいます。
幼少期は人生の土台ができる時期。
習い事は学びの土台作りに役立ちますが、
誤った価値観を子どもに受け付けてしまわぬよう、
周囲の大人には配慮が求められます。
絶対に避けなければならないのは
「お母さんは成果を出さないと褒めてくれない
「お父さんは成果を出せる子だけが好きなんだ
と思わせてしまうこと。
親御さんにはそんなつもりはなくても、
お子さんの方で一方的にそう感じてしまっていることも、
意外と多いかもしれません。
ではどうしたらいいのか。
大切なのは、プロセスを見て伝えること。
とは言え、プロセスって言われても…
どう伝えるのか、難しいですよね。
おすすめは、子どもの表情を見ること。
そして、子どもの気持ちを読み取ることです。
嬉しそうな顔をしているなら、
「楽しそうだね」。
真剣な表情なら、その間は静かに見守り
飽きてきた頃に
「集中していたね」
と伝えます。
上手、下手という成果ではなく、
子どもの様子や気持ちを言葉で伝えてあげましょう。
子どもは自分の成長を楽しめるようになり、
ありのままの自分を受け入れることができるようになるでしょう。
はじめての習い事は、楽しいものであってほしい。
習い事を通して、お子さんの世界が大きく広がりますように…!