東京・四谷にありますクロワール幼児教室です。
成長が著しい2歳・3歳の時期を丁寧にサポート、非認知能力を重視した上で、小学校・幼稚園受験の基盤づくりも行っています。
子どもの主体性を大切にしたいのに…
「何してあそぶ?」
「わからない」
「好きなことしていいんだよ」
「ママ決めて」
社会が大きく変わる中、自ら考える力、自分を大切に思える力、自分らしく生きる力が重視されています。
特に、近年よく耳にするのが「子どもの主体性」。
子どもの主体性を育むことは、子どもの成長において非常に重要であり、
「子ども主体の保育」に重点を置いている幼稚園や保育所も、年々増加の傾向にあります。
一人ひとりの子どもが、自らの気持ちを大切にできるように、周囲の大人が関わっていく。
特に幼少期に、大切にされている考えです。
しかし、「子どもの主体性を育みたい」と思っていても、上記のように「わからない」と言われてしまったら?
「子どもの気持ちを尊重していきたい」と願っているのに、「ママ決めて」と言われてしまったら?
子どもの「わからない」の背景を考えるとともに、
子どもの「やってみたい」を引き出すための工夫について考えていきましょう。
「わからない」の理由
子どもの「わからない」の背後には、さまざまな理由が隠れています。
子どもの真の気持ちに近づくために、「わからない」理由を考えてみましょう。
□思いつかない
子どもが「わからない」と答える理由の一つに、単に思いつかないことがあります。
まだ経験が少ない子どもには、「何をしたい?」と問われても、
イメージをすることさえ、難しいことがあります。
□言ってはいけないと思っている
また、大人の期待に応えようとするあまり、自分の意見や気持ちを隠してしまう子どももいます。
例えば、「正解/不正解」「いい子/悪い子」等の概念が子どもの中にできてしまっている場合、
自分の考えを言うことに躊躇してしまう場合もあったりします。
□ 相手の気持ちを察して言わない
4歳ころになると、「これを言ったら相手はどう思うか」という他者意識が芽生えてくるため、
自分の考えを飲み込んでしまったりすることも。
「わからない」は、子どもの成長の表れという見方もできます。
□質問の意味がわからない
大人からの質問の意味を理解できない、忘れてしまった等で、
子どもが「わからない」と答えることもあります。
「頑張ろうと思うことは?」等、大人にとっての当たり前が、子どもには通用しないことも。
「その時、本当はどうしたかったの?」と問われても、気持ちはどんどん上書きされていくので、
忘れてしまっていることもあります。
□ 伝える言葉を知らない
自分の気持ちや考えを表現するには、語彙が必要です。
特に複雑な感情や考えをもっているとき、適切な言葉が見つからず「わからない」
となってしまうことがあります。
大人にとっても、感情を表現するのは難しいことです。
子どもの「やってみたい」を引き出す工夫
では、子どもが主体的に行動し、自らの「やってみたい」という気持ちを引き出すために、
どうしたらいいのでしょう。
もちろん、行き過ぎた関与は不必要です。
しかし、何もせずに放っておくと、例えば「言ってはいけない」という気持ちが固まり、
本当に言えなくなってしまうことにも。
ここでは、家庭でできる工夫についてまとめていきます。
□ 決めさせるのではなく「選ばせる」
主体的に、と思えば、大人は何も言わずに、好きなように決めさせたくなります。
しかし、先に挙げた様々な理由により、「決める」ことが難しい場合も。
そんな時には、「選ばせる」ことを意識してみましょう。
例えば、「何が食べたい?」と聞く代わりに、
「ハンバーグとカレーライス、どちらがいい?」と具体的に聞くと、幼児は答えやすくなります。
選んだ後は、「〇〇ちゃんが決めてくれたようにしよう」と、
子どもが「決めたことを実感」できるような言葉を添えると効果的です。
□選択肢を少なくする
選択肢が多すぎると、子どもは決定に迷ってしまいます。
選択肢は欲張らずに、シンプルに。
少ない選択肢の中から選ばせることで、
決定がスムーズに行えるようになります。
簡単に決めることができれば、「決めること」自体も楽しくなります。
「決める」も経験。経験を積めば、「決めることができる自分」と、
「決める」が得意意識に変わっていくこともあるでしょう。
□ 子どもの行動を観察する
「この子は〇〇が好きだから」、こんな風に思い込んでいませんか?
子どもは全てを語りません。
しかし、子どもを観察していると、子どもが没頭していることや、こだわっていることが見えてきたりします。
子どもを観察し、興味が見えてきたら、そこを膨らませるようなアプローチを試みてみましょう。
例えば、子どもが魚に興味を持っているなら、魚を話題に。
「切ること」に興味をもっていそうなら、切るのがもっと楽しくなるような様々な包み紙を準備する。
勝手な思い込みで「子どものお気に入り」を決めつけることなく、子どもの興味に寄り添っていきましょう。
□素材の工夫で子どものアイディアを広げる
子どもは本来、想像力に満ち溢れ、空想するのが大好きです。
子どもは、大人には思いつかないような発想で、あそびを考えたりします。
そんな子どもの力を引き出すためには、さまざまな素材や道具を用意することも有効です。
たとえば、あそび方が決まっていない廃材。
子どものアイディアが広がります。
触って楽しめる素材なら、自分の感覚を楽しむことができるでしょう。
正解がないからこそ、子どもの「やってみたい」が広がりそうです。
□一緒にやってみる
無理に「子どもに任せて」と思い過ぎずに、子どもと一緒に活動してみてはどうでしょう。
子ども主体とは、子どもを一人にすることではありません。
一緒に活動して、一緒の世界を共有する。
楽しさを共有することが、「やってみたい」という気持ちを加速させます。
子どもが小学生になれば、「一緒に楽しむ」ことも難しくなりそう。
この経験は、幼少期の子ども相手の特権かもしれません。
子どもの見ている世界を、大人も楽しんでみましょう。
子どもの主体性を育むためには、子どもの気持ちを理解し、適切にサポートすることが重要です。
「わからない」も、子どもからの大切なメッセージ。
その背後にある理由を理解し、子どもの「やってみたい」を引き出していけるといいですね。
記事執筆
江藤真規
https://saita-coordination.com/
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