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うちの子にもっと自信をもってもらいたいんです…。
本当はできるのに…人前に出ると、急にやらなくなってしまう。
本当はできるのに、「自分には無理」と逃げてしまう。
もっともっとできるのに、どうしてそこで止まってしまうかな…。
「もっとあなたはできるのよ」というメッセージも届かず、
困惑してしまう親心もよくわかります。
子どもの自信なげな様子に、親としてどう関わっていけばよいのか、考えていきましょう。
褒めても自信を持たない?
「良いところを見つけて褒めてあげれば、子どもは自信をもつでしょう。」
子育て・育児書等に、よく書かれているフレーズです。
自分のいいところに気づかず自信が持てないのなら、
周囲が見つけて気づかせてあげることは、確かに自信につながりそうです。
しかし、自信をもたせようとして褒めると、どうも上手くいきません。
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「あなたはお絵かきがとっても上手。もっと自信をもとう!」
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「ボール投げが上手なんだから、もっと自信もって!」
これらの褒め言葉は、子どもにはどう伝わっているでしょうか。
「お絵かきが上手だね」ならまだしも、「だから自信をもって」がつくことで、
子どもには「あなたは自信がない子ね」という意味合いに伝わってしまいます。
言えば言うほど、逆効果になってしまいかねません。
そもそも、自信をもたせることを「褒める」ことの
対価として考えること自体に無理があるということ。
「褒める」と「説得」をセットで使っていると、
子どもは素直に自分に向けられた褒め言葉を受け取ることさえ、
できなくなってしまいます。
子どもの幸せを願うからこそ、親は子どもに自信をつけてもらいたいと願うのですが、
自信とは「他者からの説得」で持てるようになるものではないことに、
まずは気づかなければなりません。
「自信をもちなさい」と説得をするのではなく、
子どもが自信を持てるような環境を作っていくことに意識を向けていきましょう。
子どもの前向きな気持ちを引き出すために、自分ならできると思える環境をつくるために、
周囲の大人はどう関わっていくことができるか、
子どもの心を動かす環境作りについてお伝えしていきます。
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自信が育つ3つの環境
1. 「できた!」という経験をさせる
説得や助言では、子どもの心は動きません。
自分が真にそう思うためには、誰かから、「あなたはできる」と言われるのではなく、
自分で「自分なら大丈夫」と思えることが必要です。
そのためには「経験」をさせること。
「やったらできた!」
「やればできるんだ!」
子どもに、このような経験を積ませてあげましょう。
これらの「経験」は、大きな壁を超えるような特別な経験である必要はありません。
小さな成功体験とも言われますが、
日常生活で行っていることを「細分化」してみれば、たくさんの「できた!」
という経験を積ませてあげることができるはずです。
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そして、各々の経験に、大人が優しく「できたね」と添えてあげれば、
「できた!」という感覚は増していくことでしょう。
例えば1冊の本を最後まで読んだら、「本を読めたね」とするのではなく、
絵本を選んだだけでも、「好きな本を選べたね」と…。
お絵かきが(大人の目に)上手にできたら、「上手だね」とするのではなく、
ぐるぐると描いただけでも、「ぐるぐる模様だね」と伝えます。
英語の歌を歌えるようになったら「英語が得意になったね」ではなく、
英語らしき歌をうたっていたら、「新しい曲が歌える様になって楽しいね」と伝えます。
日常の子どもの行為を細分化すれば、たくさんの「できた!」
経験を積ませてあげることができるはずです。
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2. 「すごいね」「すばらしいね」の連発には要注意
子どももある程度の年齢になると、親からの褒め言葉を嫌がる時期がくるようです。
「ほめないで」
「そんなこと言ってもやらないよ」
など子どもから言われたことはありませんか?
「すごいね、さすがだね、素晴らしいね…」、これらの言葉ばかりを伝えられると、
子どもはプレッシャーを感じるのでしょうか。
あるいは、「自分を励まそうとしている」と、
相手の言葉の意図を感じ取ってしまうのかもしれません。
これらの言葉の連発は要注意。
無意識に、大人が評価者となってしまうからです。
上手、下手という成果ばかりを伝えるのも、
大人の前では成果をだしつづけなければならないというプレッシャーになってしまいます。
「褒める」より「事実をそのまま伝える」ことに徹する方がよさそうです。
事実をそのまま伝えるためには、存在承認が役立ちます。
存在承認とは、相手の存在自体を認める、伝える行為のことを言います。
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良く食べたね
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お皿を運んでくれてありがとう
これらの存在承認は、「自分は見てもらっている」という安心感につながります。
「えらいね」「上手だね」という評価にも繋がりかねない言葉以上に、
子どもの心を満たしていくはずです。
また、事実をそのまま伝えるためには、取り組み自体に目を向けることも大切です。
「終わったね」「頑張ってやったんだね」と、子どもの取り組みに目を向け、
言葉を発する、それだけで、子どもの心は前向きになるはずです。
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3. 見方を変え、気づきを与える
世の中は「解釈」で成り立っています。
私達が見ている社会は私達の解釈で感じ取っている社会です。
ですから一つの事実に対して多様な解釈が存在するのです。
子どもが
「自分にはできない」と言うのなら、それは子どもが「自分はできない」
という解釈をつけているからです。
見方を変えるとは、この解釈を変えるということ。
「ダメだ」を「自分は大丈夫」という解釈に変えるためには、
まずは本人の見方が変わる(解釈が変わる)ことが必要であり、
そのためには、いわゆる「気づき」が起きることが求められます。
相手に気づきを与えるためには、「質問」が効果的です。
自分の見ている世界とは異なる世界が見えるよう、視点が置きかわる質問をしてみましょう。
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できないって感じているんだね。どうしてそう思うか教えてくれる?
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じゃあ、今度は〇〇ちゃんができることを教えてくれる?
質問の答えを探すプロセスで子どもは自分を客観視し、
自分の心と向き合います。
この行為が、いわゆる「気づき」を促すのです。
また、質問をされることで、子どもには異なる視点が加わります。
今ある状況を多(他)方面から見ることで、
気持ちが切り替わることもきっとあることでしょう。
更に、質問をする際には、子どもの気持ちに共感する言葉も添えた方がいいですね。
自分の気持を受け入れてもらうことで、
子どもは安心して心を開くことができるようになるはずです。
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子どもの感情を受け止める
そして最後に、もうひとつだけ考えて頂きたいことがあります。
「自信がない状況」って、本当によくない状況なのでしょうか。
「自信がない」を受け入れることも大切なことと感じます。
常に明るく元気で、常に自信をもって…これでは人間疲れてしまいそうですよね。
時には凹み、自信をなくしてしまい、そんな経験をすることが、人の気持が分かる子、
自分の弱さも引受けられる優しい気持ちを育てるのではないでしょうか。
子どもを尊重し、いかなる子どもの心も受け入れること。
子どもの「育つ力」を信じること…。
子育てはこれにつきますね。
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